インドネシアでは、スマトラ式という特殊な精製方法を行うことで少し独特な見た目と、他の産地ではなかなか味わえないコーヒーの品質が有名ですが、特にリントン地区は組合が少なく流通市場が複雑な地域です。
小農家さんの手によって収穫された完熟豆は各農家さんが果肉除去・発酵水洗いし、ミューシレージが除去されたパーチメントを一次乾燥します。
この時点で水分値は約40%。
この状態は”GABAH(ガバ)”と呼ばれます。
農家さんはGABAHを地域で週に一度開かれる市場に持ち込み、それをコレクターと呼ばれる集買業者が買い取るという流れが一般的です。
40%と水分値が高いパーチメントの状態で取引されるため、品質の優劣を外観から判断するのが難しく、各農家さんとの信用関係も非常に重要なんです。
コレクターは、GABAHを自ら脱穀、二次乾燥し(この状態をLABUと呼びます)、ASALANと呼ばれる生豆(水分値13-15%)にし、比重・スクリーン・手選別などの選別を行います。
ロット毎に精製し、ASALANの状態を自ら確認することで、各農家さんの品質を把握しています。
ユニークな精選方法のため、一般的にはマンデリンは生豆の先が裂けてしまうことがよくあります。
裂けた部分から品質劣化が起こるため、できるだけ丁寧に手選別する必要があります。
これがとても大変なのですが、今回のロットは生産者さんたちはとても厳しく選別を行ってくれています。それが美味しさの秘訣です。
ハーブのような風味が溢れる酸味とマイルドなボディ、クリーンな後味がリントンらしさです。
ぜひ覚えておいてくださいね。
遠く離れたインドネシアで、真面目なクリスチャンのバタック族が多く住む、スマトラ島リントンからお届けします。