今月は、”深煎りだけど、親しみやすい”大黒ブレンドを作成いたしました。
目指す味わいは、苦味とコクがしっかりとありながら、冷めてくると果実味も楽しめるブレンドです。
もともとは、深煎りだけのブレンドでガツンとコクと苦味を楽しめる味わいにする予定でしたが、たくさんの方に親しみやすいブレンドにしたいという思いが生まれ、果実味を表現する味わいを目指しました。
今回のメインとなる苦味とコクを演出するために、インドネシア マンデリンは必要不可欠な存在でした。
正直なところ、インドネシアを入れたブレンドは難しいイメージがありました。
なぜなら、インドネシアはハーバルな清涼感のある風味に、苦味とコクがしっかりと味わえるコーヒーなので、ブレンドに入れるとほとんどインドネシアの味わいになってしまうという点があるからです。
そんな難しいイメージをもちながらも、探求心をもって進めました。
最初は、エチオピア ウォッシュド製法を入れてフローラルな風味を出そうとしましたが、酸味が際立ち甘さを感じにくいブレンドになりました。
インドネシアとエチオピア ウォッシド製法は相性が良くないことを知ったと同時に、もっと果実味のある豆の方が合いそうだとひらめきました。
そこで使用したのが、エチオピア ナチュラル製法です。
ベリーのような果実味のある風味に、すっきりとした酸味。私からすると、インドネシアの持つ油分と合いそうなイメージでした。
実際に合わせてみると、口当たりがまろやかになり、ほのかに果実味が顔を出しているような味わいでした。
目指している味わいにグッと近づいたのですが、これで完成ではありませんでした。後口に酸味が残る印象があったからです。
ここで、最後の仕上げが必要になりました。最初に使用していたグァテマラを入れてみることで、まろやかに感じる口当たりが余韻まで心地よく続き、コクもあり果実味のある液体が完成しました。
個人的にはインドネシアの難しいイメージを超え、ブレンドの新たな道が生まれた瞬間でした。
ぜひ、苦味の中にある果実味をご家族やご友人などたくさんの方とご体験いただけますと幸いです!
『大黒ブレンド』をどうぞお楽しみください!