シングルオリジンとブレンドの違いは、なんとなく分かっていても、「ブレンドはどうやって作られているのか」まで知る機会は意外と少ないものです。実はブレンドには、豆を混ぜるタイミングの違いによる2つの作り方があり、それぞれ生まれる味わいも変わってきます。
この記事では、ロクメイコーヒーの焙煎士が、スペシャルティコーヒー100%にこだわる理由から、「アフターミックス」と「プレミックス」という2つの焙煎手法の使い分け、1%単位の配合調整が生む「甘さの余韻」、シーン別に選べる4つのブレンドの特徴、4種を飲み比べられるドリップバッグセットまでを、順にご紹介します。
目次
ロクメイコーヒーが使い分ける2つの焙煎手法「アフターミックス」と「プレミックス」
私たちが「スペシャルティコーヒー100%」にこだわる理由
ロクメイコーヒーでは、シングルオリジンもブレンドも、すべてスペシャルティコーヒーの豆だけを使用しています。スペシャルティコーヒーとは、生産地の管理から精製方法、保管、焙煎、抽出に至るまで一貫した品質管理のもとで作られ、カップに入れたときに明確な個性と欠点のない味わいを持つコーヒーのことです。
「ブレンドは質の劣る豆の寄せ集め」というイメージを持たれることがありますが、ロクメイコーヒーのブレンドはその逆です。それぞれ個性の際立つ高品質な豆同士を、計算し尽くされたバランスで組み合わせることで、一つの銘柄だけでは出せない味わいを作り出しています。

シングルオリジンとブレンド、何が違う?
シングルオリジンとブレンドの基本的な違い(生産者や農園が特定される一つの銘柄か、複数の銘柄を組み合わせたものか)や、コーヒー豆選びの基本については、こちらの入門記事でご紹介していますので、まずはそちらをご覧ください。
この記事では、その先にある「では、ブレンドはどうやって作られているのか」という、焙煎士ならではの視点をお伝えします。例えるなら、シングルオリジンは一人の奏者によるソロ演奏、ブレンドは複数の楽器が重なり合うオーケストラのようなものです。ソロ演奏では奏者本来の個性がそのまま際立ちますが、オーケストラでは、それぞれの楽器が持つ音色を活かしながら、全体として一つの調和した音楽を奏でます。ロクメイコーヒーのブレンドづくりも同じで、一つひとつの豆の個性を消すのではなく、組み合わせることでしか生まれない味わいを目指しています。

ロクメイコーヒーが使い分ける2つの焙煎手法「アフターミックス」と「プレミックス」
ブレンドコーヒーの作り方には、大きく分けて2つの手法があります。それぞれに異なるメリット・デメリットがあり、ロクメイコーヒーでは目指す味わいによってこの2つを使い分けています。
アフターミックス(Blend After Roast)
それぞれの豆を単独で、その豆に最も適した焙煎度・焙煎プロファイルで焙煎したあとに、計量してブレンドする方法です。
メリット
豆ごとに最適な焙煎度を選べるため、異なる個性の豆同士を組み合わせても、それぞれの香味を最大限に引き出せること。
デメリット
豆の種類の数だけ焙煎工程・計量・在庫管理の手間が増えること。特に使用量の少ない豆は焙煎後の保管期間が長くなりやすく、風味の劣化を防ぐための鮮度管理に一層の注意が必要になります。
定番の「ロクメイブレンド」「ミカサブレンド」「カスガブレンド」では、アフターミックスを採用しています。
主な理由として、浅煎り~中煎りの焙煎では、それぞれの豆が異なる「酸」を持っています。例えば、お花のような華やかな酸味、レモンのような鋭い酸味、みかんのような丸い酸味などがあります。そのため、豆ごとに引き出したい酸味を正確に捉え、別々に焙煎してからブレンドします。そうすることで、豆の風味特性を最大限に引き出すことができ、より立体感あるブレンドコーヒーに仕上がります。
プレミックス(Blend Before Roast)
生豆の状態であらかじめ複数の銘柄を混ぜ合わせてから、一度に焙煎する方法です。
メリット
焙煎工程が一度で済むためシンプルであること。焙煎中に複数の豆が同じ熱源の影響を受けることで、単体では出せない、まとまりのある風味に仕上がります。
デメリット
焙煎に適した度合いが近い豆同士でないと組み合わせが難しく、ブレンドの自由度がアフターミックスに比べて制限されること。豆ごとの個性よりも、全体としての調和を重視する手法と言えます。
定番の深煎りブレンド「サルサワブレンド」では、プレミックスを採用しています。
目指す味わいは、心地よい甘苦さ、しっかりとしたコク、そして苦みが後に残らないすっきりとした味わいです。
ブラジル、エルサルバドル、インドネシアの3種を使用。苦味、甘味、コク、ボディを調整。ブレンドしてから焙煎することで、一体感のある味わいに仕上げています。

1%単位の配合調整が生む「甘さの余韻」
ロクメイコーヒーのブレンド設計で大切にしているのが、「甘さの余韻」です。コーヒーの味わいは酸味・苦味・甘みのバランスで決まりますが、私たちは特に、飲み終えたあとに残る甘みの質と持続時間にこだわって配合を組み立てています。
同じ3種類の豆を使っていても、配合比率が1%変わるだけで、酸味の立ち上がり方や甘みの余韻の長さが大きく変化します。私たちは、焙煎プロファイルの調整とあわせてこの配合比率を細かく検証し、狙った「甘さの余韻」にたどり着くまで試作とカッピング(味の評価)を重ねています。

シーン別に選ぶ、ロクメイコーヒー4つのブレンド
ロクメイブレンド(中煎り)|SCENE:いつでも
グアテマラ・ブラジル・ケニアの3種類をアフターミックスで組み合わせた、ロクメイコーヒーの定番ブレンドです。ほんのり柑橘を思わせる上質で優しい酸味に、素材由来の甘さが心地よく続き、後口にはミルクチョコレートのような風味が残ります。マイルドで飲みやすく、バランスの良い味わいのため、「どれを選べばいいか迷ったら、まずはこの一杯」としておすすめしています。
ミカサブレンド(中浅煎り)|SCENE:朝に
コスタリカ・グアテマラ・エチオピアをアフターミックスで組み合わせたブレンドです。みかんやオレンジのような甘い柑橘系のフレーバーに、ハチミツのような甘さと爽やかな酸が重なり、心地よい余韻をもたらします。温度が下がるにつれて酸味がより爽やかに感じられるのも特徴で、ヨーグルトやグラノーラなど朝食との相性が良く、1日のはじまりにぴったりの軽やかな味わいです。
カスガブレンド(浅煎り)|SCENE:気分転換に
エチオピア・ケニアなど、アフリカ産のコーヒーをアフターミックスで組み合わせたブレンドです。ベリーやパイナップル、紅茶を思わせるフレーバーが特徴で、華やかでありながら苦みは少なく、飲む温度によって香り立つフルーツの印象が変化します。ドライフルーツやフルーツタルトなど、果物を使ったスイーツと合わせることで、気分転換のひとときをより華やかに演出してくれます。
サルサワブレンド(深煎り)|SCENE:夜に
ブラジル・エルサルバドル・インドネシアを、生豆の段階でブレンドしてから焙煎する「プレミックス」で仕上げた一杯です。ダークチョコレートやキャラメルのような風味に、心地よい甘苦さとしっかりとしたコクが備わっています。深煎りでありながら後味はすっきりとしており、苦味が残りにくいのも特徴です。一日の終わりに、じっくりと味わっていただきたいブレンドです。

まずは4種を飲み比べてみませんか?
「結局どれが自分に合うのかわからない」という方には、4種のブレンドを少しずつ楽しめる「ドリップバッグ プチギフト 日常を豊かにする4種のブレンドコーヒー 4袋 お試しセット」がおすすめです。ロクメイブレンド・ミカサブレンド・カスガブレンド・サルサワブレンドを各1袋(各12g)、計4袋をセットにしています。朝・気分転換・夜など、シーンによって味わいを変えながら、お気に入りの一杯を見つけていただけます。

もちろん、それぞれのブレンドは単体の豆・ドリップバッグとしても購入いただけます。気になる一杯が見つかったら、ぜひ製品ページで詳細をご覧ください。
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よくあるご質問
Q.シングルオリジンとブレンド、結局どちらを選べばいいですか?
A.生産者や農園ごとの個性をはっきり味わいたい方にはシングルオリジンが、バランスの取れた飲みやすさや、狙った味わいの設計を楽しみたい方にはブレンドがおすすめです。迷ったときは、まず定番のロクメイブレンドから試していただくのがおすすめです。
Q.「アフターミックス」と「プレミックス」は味にどう影響しますか?
A.アフターミックスは豆ごとの個性を活かした焙煎ができ、プレミックスは焙煎中に豆同士が影響し合うことで一体感のある風味に仕上がります。ロクメイコーヒーでは、目指す味わいによってこの2つの手法を使い分けています。
Q.4種のブレンドの中で、酸味が少ないものはどれですか?
A.最も酸味が穏やかなのはサルサワブレンド(深煎り)です。ダークチョコレートやキャラメルのような風味で、しっかりとしたコクをお楽しみいただけます。
Q.どのブレンドから試すのがおすすめですか?
A.初めての方には、バランスの良いロクメイブレンドか、4種類を少しずつ試せるドリップバッグのお試しセットをおすすめしています。
まとめ
シングルオリジンが生産者や農園の個性をそのまま伝える一杯だとすれば、ブレンドは、その個性を活かしながら新しい味わいを設計する一杯です。ロクメイコーヒーでは、「アフターミックス」と「プレミックス」という2つの焙煎手法を使い分け、1%単位の配合調整を重ねながら、「甘さの余韻」にこだわったブレンドづくりを続けています。
ロクメイブレンド・ミカサブレンド・カスガブレンド・サルサワブレンド、それぞれに異なるシーンと香味特性があります。まずはお気に入りの一杯を、あるいは4種飲み比べセットで、ぜひその違いを確かめてみてください。